身の回りの英語(新幹線編)

カテゴリ: BLOG / 公開日: 2009年1月01日(木曜)21:21 / 投稿者: Tom Goodsun

帰省シーズン、多くの人がお世話になるのが新幹線です。世界的にも有名な新幹線は「bullet train(弾丸列車)」とも言われています。今回はこの新幹線で使われている英語を紐解いてみたいと思います。

今回取り上げるのは東海道・山陽新幹線ですが、車内アナウンスは自動放送です。私が良く使うのは東海道新幹線。多くの人にはあまり知られていませんが、国鉄民営化後、白地に青のラインのあの新幹線は2つの会社が運営しています。新大阪を境界に東京側(東海道区間管轄)がJR東海(コポーレートカラーオレンジ)、博多側(山陽区間管轄)がJR西日本(コーポレートカラーブルー)。2つをあわせて東海道・山陽新幹線といいます。

列車も両社それぞれが相互直通で使用し合っています。車内放送に限った違いですが、まず車内ジングルがこのJR東海は「AMBITIOUS JAPAN/TOKIO」、JR西日本が「いい日旅立ち、西へ/鬼束ちひろ」となっています。

問題の車内アナウンスですが、まず始発駅を出るとこんな英語のアナウンスを聞くことができます。

Ladies and gentlemen, welcom to the Shinkansen. This is the NOZOMI superexpress bound for Tokyo. We will be stopping at Kyoto, Nagoya, Shin-Yokohama and Shinagawa stations before arriving at Tokyo terminal.

これは、日本語アナウンスをそのまま訳したかのような文ですね。ちなみにここまでを日本語のアナウンスと照らし合わせてみましょう。

今日も新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車はのぞみ号東京行きです。途中の停車駅は京都、名古屋、新横浜、品川です。

日本語を見てみると英語に直すのが難しそうと思うかもしれませんが、文法的に見ても中学生レベル英語しか使ってないように思います(中学生レベルがどんなものか忘れてしまいましたが・・・)。

「superexpress」はJR各社が特急列車に「Limited Express」という称号を与えており、その上を行く特急という意味で「超特急」の意味を当てているからだそうです。ちなみにのぞみ、ひかり、こだまと一般でいう特急、急行、普通と解釈してしまいそうですが、これすべて「超特急」とアナウンスされています。「KODAMA superexpress」、「HIKARI superexress」など。つまり新幹線の定義、「主たる速度が毎時200キロメートル以上の列車」は「superexress(超特急)」ということみたいです。

ほかに中学生で習わなかった表現としては「bound for ~(~行き)」や「terminal(終端、終点)」などでしょうか。決して大きな駅がターミナルと呼ばれているわけではないみたいです。
 

Cars 1, 2 and 3 are for the passengers without seat reservation. Passengers without seat reservation who wish to smoke may do so in Car No.3. Conductor Room is in Car No.10. While in the car, we ask that you switch your mobile phones to the silent mode. Thank you.

ちょっと難しくなってきましたかね? 抑えておく名詞は「seat reservation(座席指定、つまり指定席を表している)」、「passengers without seat reservation(自由席のお客さんのこと)」、「Conductor Room(車掌室)」、「silent mode(「マナーモード」は和製英語なので伝わらない。意味的に言うと、車内では着信音を無音しておくことがマナーであることから)」ぐらいでしょうか? では日本語アナウンスを確認しておきます。

続いて車内のご案内をします。自由席は1号車、2号車、3号車です。お煙草の吸える自由席は3号車です。車掌室は10号車にあります。携帯電話ご使用についてお願いします。車内ではあらかじめマナーモードに設定するなど、周りのお客様のご迷惑とならないよう、ご協力をお願いします。

関係代名詞やら接続詞のthatやらが入ってきて少し難しい感じがしますね。「Passengers without seat reservation who wish to smoke may do so in Car No.3.」なんかは私は聞き取りづらかったんですが、「may do so」というのは「may smoke」の指示語ですね。ちなみにN700系は全車両禁煙のため以下のようなアナウンスが流れます。

Smoking is not allowed on this train except in the designated smaking rooms located in Cars 3, 7 and 15. Smoking room in Car No.10 is for the passengers in Green Cars.

この電車は全席禁煙となっております。お煙草を座れるお客様は喫煙ルームをご利用ください。普通車の喫煙ルームは3号車、7号車、15号車、グリーン車の喫煙ルームは10号車にあります。

これまた難しいように思えますね。英語では、日本語表現で名詞化されているものは、文章化されることがしばしばあります。今回の例でいうと、「~禁止」という表現は「~は禁止されています」や「~は許されていない」というようになります。