NHKであるがゆえ・・・
NHK・・・日本の放送業界を引っ張っていくべき組織。国から予算を受けているが、国営放送ではない。位置づけは公共放送です。CMもなく、公平でなくてはならないというように、NHKの番組には民放にはない、厳しい決まりごとがある。
だからこそNHKの限界を感じることがある。 NHKの真骨頂は、地上波で総合と教育を放送していること。緊急放送は総合、教育は状況に応じて通常番組と緊急番組を切り替える。これ自体は問題ない。むしろ私が言いたいのはこれとは関係ない。
NHKの番組の特色として「趣味」をテーマにした番組がある。最近では「中高年のためのインターネット講座」なんてあります。そこでは紛れもなく、ウェブ上の実際のコンテンツを例に挙げて番組が構成されている。
NHKの立場上、余り固有名詞は出せないのだが、見ている方はそれでわかるのだろうか。残念ながら私は中高年でもなければ、番組の大きなターゲット・インターネットの初心者でもない。
初心者を対象にしたこういった番組の場合、抽象的な表現よりも、固有名詞を出してでも一例として説明をするほうがわかりやすいのではないかと思う。
(今の番組ではあからさまにAmazonを例にしているが、「Amazon」という固有名詞は「このショッピングサイトでは・・・」というような言葉に置き換えられている。見る人が見ればわかるが、そういった人はすでに初心者の粋を出た人ではないだろうか・・・。)
これはNHKの情報番組にも言える。
NHKの情報番組で紹介される「うわさの商品」は、使い方を説明して便利さのアピールしかしない。値段はもちろん、商品名も紹介されることはない。だが商品として紹介するからには必要最低限の情報が必要だ。
あなたが家電量販店で、「うわさのデジタルカメラ 人の顔を認識して暗く写らないように自動で調整」とだけアピールされていてもどうしていいのかわからない。このとき必要になるのは、メーカー名、商品名(型名)、値段、売り。この4つは必要ではないだろうか。
だがNHKにしてみれば、商品の宣伝につながるのでしないのだという。でも情報の正確性や伝達する責任を考えるとき、どちらも満たしていないと思う。いやむしろ、視聴者から料金を取っているからこそ、視聴者がその後気になる最低限の情報は、どう考えても伝えるべきではないだろうか。
NHKは、放送技術の研究所や多チャンネル放送など、いいところがあるのに、いまひとつ視聴者に対する細かい気配りが、建前などによって邪魔され、いつまで経っても解決されない問題になっていると思う。