俺の知識メモより

カテゴリ: 学習・知識 / 公開日: 2006年8月31日(木曜)22:51 / 投稿者: Tom Goodsun
原子力潜水艦 [げんしりょくせんすいかん] nuclear submarine

動力に原子炉を使用した潜水艦のこと。原潜。
近年欧州では、原子力(atomic)より核動力(nuclear power)ということから核動力潜水艦とも言う。

それまでの潜水艦は、定期的に洋上から酸素を取り入れ内燃機関であるディーゼルエンジンに取り込まなければならなかった。

しかし原子力潜水艦は原子炉の燃料棒を数年から十数年に一回の交換ですむため、燃料の補給がほとんど不要で、原子炉が作り出す豊富な動力は、艦内の酸素、電力、航行動力の供給を十分まかなえるものである。

そのことから以前のディーゼルエンジンの潜水艦は「可潜艦(submergible ship)」(潜ることが可能な艦)と言われるのに対し、原子力潜水艦は「真の潜水艦」と言われている。

原子力潜水艦開発の歴史は、1940年代、ナチス・ドイツや日本が原子力の軍事利用を模索し始めたころにまでさかのぼる。
終戦後、戦時中ドイツが核エネルギーの潜水艦利用を構想していたことを知ったアメリカ海軍のH.G.リッコーバー大佐はこれを上層部に提案し、開発を試みようしたが、却下された。
当時は、核エネルギーの軍事利用は、広島や長崎に代表される爆弾が中心で、巨大な原子力発電プラントを潜水艦に搭載することは夢のまた夢とされていた。

リッコーバー大佐はニミッツ提督にまで直訴し、ようやくその熱意が認められ海軍原子力部長に就任した。
そうして世界初の原潜はリッコーバー大佐指揮の下、開発され、1954年に竣工した。
名は「ノーチラス(Nautilus)」。このことからリッコーバー大佐(後、少将)は「原潜の父」と呼ばれている。

ノーチラスは世界で初めて北極の下を横断したことでも知られている。
世界初の原潜ノーチラスがテムズ川を下った祭に打った電文は有名で「Underway on nuclear power.(原子力にて航行中)」というものである。